労働時間やサービス残業など働き方の問題が取り上げられることが多い日本ですが、ちょうどシンガポールで働く友人と休暇の話になったのでシンガポールでの有給事情を聞いてみました。
ただ、日本とシンガポールとは言っても企業によっても違います。なので今回のお話はイチ僕の友人から聞いた話だというスタンス手で聞いていただけたらと思います。
日本の有給消化率は世界で2年連続最下位。
こちらは2017年にエクスペディアが調査した世界30カ国の有給消化率をグラフにしたものなのですが、
日本は2年連続で最下位という結果に…
- ブラジル
- フランス
- スペイン
- オーストリア
の4カ国の有休取得率が100%。まあヨーロッパはもともと「労働」を良しとしない精神が根付いているので納得ですが、日本と変わらず忙しそうなイメージの香港も100%とはちょっとびっくりです。
こちらは有休消化日数の推移を表したグラフですが、10年近く最下位かワースト2位しかなってないというのが本当悲しい。
こういう事実が日本人は働きすぎと言われるゆえんなんだなと感じます。
ちなみに日本の有給が取れる日数はこんな感じ。
継続勤続年数 | 半年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年 |
10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
仮に20日の有給を丸々使わなかったとしてもよく年に繰り越せるので実質は40日まで有給はもらえるということになります。事実上は。
シンガポールでは大体14日で多いと21日取れる企業も!
で、シンガポールの有給事情はというと、僕の友人の会社では年間で14日取れることになっていて、1年務めると1日ずつ増えていくのだとか。今年は16日取れると言ってました。
シンガポールでは企業が有休の日数を決めることができて法律で決まっている日数は7日。でもこの日数をそのまま採用している企業はほとんどなくて大体14日のところが多いみたいですね。
日系の企業だと少ない場合もあるらしいですが最初から21日有給を取れる企業もあるみたいです。
有休を取る時に気を使ったりしないの??
日本で有休取れない理由として同僚が有休を取っていないことや、みんなが忙しくしているのに自分だけ休みを取ることに罪悪感を感じることが多いのかなと思います。
こちらのデータはまたまたエクスペディアのグラフですが、有休を取ることに罪悪感を感じる人の割合が63%と群を抜いて高いです。
確かにみんなが忙しくしてるのに自分だけ有給取るっていうのはかなり気がひけますよね。
僕が働いていたレストランでは忙しいというのもありましたが、みんな有給を取ってないから誰も取らないという空気がありました。
「料理長が有給取れないのに他は取れないよね?」という空気になるので当然です。もちろん僕も働いているときに有給なんて取れるはずもなくて、辞める時にまとめて買い取ったという感じでした。
で。そのシンガポールの友達に「有給取る時に気を使ったりしない?」って聞くと仕事のパートナーと休日が被らないようにはするけど、それ以外は特に気を使ったりしないと言ってました。みんなが忙しくなるとか、人が足りないからとか、そういう気の使い方はしないのがシンガポール。
去年は同僚が1ヶ月近くヨーロッパに旅行に行ったらしく、有給で長期休暇も取れる職場みたいです。
こちらはその友達がシェアしてくれたんですが、これなんだと思いますか?
実はこれ、他の同僚たちのスケジュールがわかる社内用のツール。ここで同僚たちのスケジュールを見て有給を取る時期を決めるんだそうです。
スマホからでもチェックできるしここから有給の申請をすることができるんだそうです。
日本にはないmedical leaveがあるから有給は全部ホリデーに使える!
ちなみにシンガポールではmedical leaveという制度があるということを教えてくれました。
こちらは風邪などで病院に行くことになった際に医師から診断書を書いてもらい、そん診断書を企業に提出すれば有給扱いにできるという制度。
これがmedical leaveの書類です。
この診断書を病院でもらい会社に提出すればmedical leaveと認められます。
このメディカルリーブはインフルエンザなどの深刻な症状でなくても医師の診断書があれば有給扱いにできます。
友人曰くさらっと診断書を書いてくれるのでちょっと「今日は体調悪いな〜」という程度でもMedical leaveを使うことができるみたいですね。
この制度が日本にあったらいいなと思ったのですが、「これくらいの風邪ならmedical leaveは使えない!」とか「大した風邪じゃないのに使ったら上司になんか言われそう!」
という空気になって、結局インフルエンザぐらいしか使い道がなくなりそうだなと思いました。(笑)
ちなみに、
中にはメディカルリーブを全部使い切るというツワモノもいるらしいです。そうするとあの人はいつもメディカルリーブ使い切ってると社内でも噂になるんだとか。
日本人が有給を取れないのは空気を読みすぎるから?
労働時間や人員不足という部分も当然あります。でも根本的な理由はそこではなくて僕は「空気を読む、気を使いすぎる」という日本人の気質だと思ってます。
別に「日本人は空気を読みすぎだから周りを気にせず有給取ろう!」と言っているわけではありません。
そもそも欧米の様に個人主義的な働き方の仕組みができていないのに、無理やり個人主義思考になってもそれは無理があるわけですよね。
だから僕ら日本人なりのやり方で変えていくしかない。制度を変えたり法律を変えて、枠組みをガッチリと決めて「有給をとって海外旅行くらいは当たり前」という風潮を作ることしかないですよね。
僕ら日本人って前提とか風潮があればフットワークが軽くなります。
例えばハロウィンだってシャイな性格な日本人が仮装して渋谷とか六本木の街に繰り出してるわけじゃないですか。あれもハロウィンならコスプレをしてもいい前提があるからでできる。で、みんながやっていれば自分もやっていい前提ができる。
結果コスプレしたいと望めばみんな気軽にできる風潮になってるわけです。
だから有給も同じで有給が取れる前提を作ること。みんなとってるから自分も取れる。自分がとっても批判の対象にならない。
そういう前提を作ることが僕ら日本人が気兼ねなく有給を取れるための第一歩だと考えています。
長時間労働が美徳となっているのが日本社会。
そこで解消するべき点は労働時間ですよね。
欧米では遅くまで残業していると仕事ができないと思われますが、日本では遅くまで仕事をしている人がエライという風潮もありますよね。
でも本当に大切なのは生産性が高い仕事をすることなわけで、そこは欧米スタイルを見習う必要があるのかなと感じています。
生産性が上がる仕事環境の構築も大切だと思うし、
メンタリストのDaiGoさんはスタンディングデスクで立って仕事をすることを推奨されてます。
これは下半身の血流が良くなると脳が活性化するとのことですが、そうやって科学的根拠のある生産性が高まる働き方ができれば労働時間削減につながります。
そうやって少ない時間で大きな成果につながるような仕事が少しずつできるようになっていけば、忙しい日本社会でも有給が取りやすい環境になっていくはずです。
まとめ
まだまだ日本は有給が取りにくい社会です。長時間労働や残業などの働き方の問題もたくさんあります。
karoshiという言葉が英語として通じるほど、日本の働き方は苦労が多いのかもしれません。でも僕らは自分で働き方を選べる時代に生きてるということも事実です。
僕はこうしてノマド的な働き方をしていますが、企業で雇われることがだけが仕事じゃないことを日々実感しています。
日本は社会全般で言えばワークライフバランスが取れる働き方ができるとは言えないけど、自分が望む働き方を実現しやすい時代でもあるんですよね。
こうしてラップトップ1台で働けることができるのも日本という国があるからこそだと思ってます。
「どんな働き方をしたいのか?」
そこを考えてみることで自分に一番ふさわしい働き方が見えてくるものです。
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